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【コラム】良品計画の中国市場進出戦略を考察する

2018-02-14 10:34

日本経営管理教育協会が見る中国 第502回--宮本邦夫

 衣料品、雑貨、食品などの「無印良品」を製造・販売している良品計画が、先般、中国市場進出の新たな計画が明らかになった。同社は、以前から国内だけではなく世界の各地に店舗を展開しているが、海外店舗の半数に当たる約220店は中国にあり、さらに店舗数を増やしていくという計画である。このことから、同社がいかに中国市場に期待をかけているかがうかがえる。同社が、「世界の工場」から「世界の市場」へと姿を変えた中国市場への戦略をどのようにして展開しているのか、以下で考察してみたい。

◇標準店と主要大型店

 良品計画は、中国ではすでに220店舗を展開しているが、店舗の形態を大きく2つに分けている。その1つは、衣料品を中心とした品ぞろえの標準店と言われるもので、売り場面積が600平米程度の規模の店舗であり、大部分はこのタイプである。もう1つは、主要大型店と言われるもので、売り場面積は標準店の5倍相当の約3000平米程度の規模である。この主要大型店は、衣料品の他、生活雑貨を販売する店舗で、現在のところ上海と成都の2店舗だけである。同社では、今後、すでに標準店がある北京、南京、杭州などに4~5店の主要大型店を設けるほか、その他の都市にも標準店を新設する計画だという。

◇沿海部から内陸部へ

 良品計画の中国市場進出を見てみると、まず沿海部へと進出している。沿海部は、鄧小平の改革開放政策によって「世界の工場」となり、豊かになった都市が多いところであり、そこに狙いを定めて進出するのは、当然のことである。だが、内陸部に進出する日本の小売業はそう多くない。それは、市場ニーズの不確実性、流通問題などで二の足を踏む企業は少なくないからである。しかし、同社は、中国政府が内陸部の経済活性化政策を繰り広げていること、また高速道路網が整備されたことなどを総合的に判断して、成都を初めとする内陸部への進出に踏み切ったものと思われる。

◇戦略を支える「行動基準」

 良品計画は、以上のような中国市場進出戦略を展開しているわけであるが、戦略展開に際して、同社の「行動基準」が精神的支えになっていると推察される。同社は、(1)カスタマー・レスポンスの徹底、(2)地球大の発想と行動、(3)地域コミュニティと共に栄える、(4)誠実で、しかも正直であれ、(5)全てにコミュニケーションを、という5項目の行動基準を掲げている。これらの項目は、いずれも戦略展開の大前提になるものであり、これを念頭に置いて同社が求める「シンプルで美しい商品」を提供し続けて、中国市場進出戦略をぜひ成功させてほしいものである。(写真は、日本国内の無印良品の店舗。提供:日本経営管理教育協会)
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